001今年はじめて出会った虫?クビキリギス〜冬越しするバッタ〜

あれは,何日か前のこと・・
スーパーに行こうとアパートの廊下を歩いていると,
壁に緑色の物体を発見!「あ!クビキリギスだ」
クビキリギスの痛い思い出がある私hinkochiはすぐにそれを認識しました.
クビキリギスは赤色の鋭い大顎が特徴.口の周りが赤いので,他のバッタとはすぐに区別がつきます.しかしこの大顎に噛まれると痛いの何の.ちょっとちょっかいを加えると噛んでくるんですよね笑.この大顎のおかげで他のバッタが食べることができない大きな固い穂や種子を食べることができるようです.


しかしこの時期に出会うのは初めてだったので,かなり興奮しました.
でもアパートの壁面で写真を撮るのはあまりに怪しいので笑・・
しばらくそこにいることを願って,スーパーへ.
帰ってくるとまだいました,いました.そーっと手をのばし,
持ち上げた!・・う?全く元気がないですね.足をバタバタさせるだけで大顎をむけて威嚇もしません.
そこで部屋に持って行き,太陽があたる窓際に止まってもらいました.


カメラの充電をしている間,クビキリギスに関してリサーチ.

なぜこんな時期にいるのかというと,彼らは成虫で越冬するのですね.成虫で越冬するバッタといえばツチイナゴが思い浮かべられます.

<ツチイナゴ:2009.11,山口県>
冬,枯葉の中で何か飛んだ!と思ったらツチイナゴである場合が多いです.ところでツチイナゴやクビキリギスのように成虫で越冬するバッタは結構珍しい存在のようです.やはり多くの昆虫が卵やさなぎで越冬することから分かるように成虫でいるよりも卵やさなぎで越冬する方が効率はいいはずです.それを考えると,ツチイナゴやクビキリギスは耐寒性があるのでしょうね.
Wikipediaによると

7月中旬から下旬にかけ孵化した幼虫は9月下旬から10月頃に成虫となり、そのまま越冬に入る。そして翌春から初夏にかけて交尾や産卵などの活動を本格的におこなう。産卵は草本の葉と茎の節目、裏側などにズラリと規則正しく並べておこなわれる。
卵は初夏から夏にかけて孵化する。秋には羽化し成虫になり、そのまま冬眠する。翌年の5〜6月に交尾、産卵を行うが、その後も相当数の個体が生存し続け、7月に入っても多くが健在である。さらに飼育下では再越冬に突入し2度目の春を迎える例すらあるという。

とのこと.

しかし,クビキリギスは.なぜわざわざ夏に孵化し,秋に成虫となり,成虫で越冬し,翌春に交尾や産卵を行うのでしょうか.
多くの昆虫のようにサイクルをもうちょっと前にずらし,春〜夏に孵化し,成虫となり,秋に交尾・産卵をしたほうが,効率は良い気がします.クビキリギスの成虫が暑さに弱い可能性,成長時期というニッチをずらすことにより,他種より有利になる可能性などが考えられると思います.


・・さてさて,カメラが充電出来ました.
ということでクビキリギスを窓からはずそうとすると,う!なかなかはずれない・・やっと手で持ち上げると,今度はすごい勢いで前足を動かせ始めました.先程の元気のなさとは大違い! ほんの5分光に当てただけでここまで活動的になるとは,やはりクビキリギスがある程度耐寒性をもっていることを示すといえるでしょう.

最後に撮影したくクビキリギスの写真.

ちょっと仮面ライダーぽくってカッコいいでしょ笑?

撮影データ

ツチイナゴ,クビキリギス
RICHO CaplioR10,山口県