樫原湿原でトンボとにらめっこする

最近の週末は梅雨で雨ばかり.久しぶりに天気予報で晴れマークが登場したので,唐津・七山の樫原湿原へトキソウを見に行ってきました.

トキソウは湿原の内部のほうで,群落を形成しています.いかんせん距離が遠すぎるので,100mmマクロでは満足な撮影はできませんでした.

湿原の最奥部では,なにやらたくさんの人が写真を撮っているので行ってみると,ハッチョウトンボがそのまわりでたくさん見られるようでした.

ハッチョウトンボはハエくらいの大きさしかない世界最小クラスのトンボです.ハッチョウトンボのように小さくて,他の昆虫などに真っ先に食べられてしまうようなトンボが,進化し,種として維持されているというのはなかなか不思議なことだと思います.やはり,大型のトンボのヤゴが生活できない,水質が酸性で,水深が浅い湿地という特殊な環境に生息することがミソなのでしょうか.ただ,撹乱が入らない場所では,このような環境は次第に樹林に遷移してしまうはずで,ハッチョウトンボの生息地が安定して保たれることがないような気がします.そう考えると,ハッチョウトンボは,結構な分散能力があるのかなと思えます.軽い体で,風にのって新しい生息場所に飛ばされやすいというのも適応上のメリットとしてあるのかもしれません.

ハッチョウトンボについてくわしくは..http://d.hatena.ne.jp/hinkochi/20100718/1279462187
ハッチョウトンボ以外では,モノサシトンボや,キイトトンボ,ヨツボシトンボなども見られました.
イトトンボは警戒心がとても強く,すぐ逃げてしまいましたが,ハッチョウトンボモノサシトンボは近づいて撮影することができました.あるモノサシトンボはずっと同じ枝に止まって,顔を擦ったり,ショウジョウバエを捕らえてきて食べたりと,いろいろな行動を見せてくれました.ファインダーごしに,にらめっこしているようでおもしろかったです.

トキソウのほか,カキランやウツボグサ,モウセンゴケ,ハルトラノオカキツバタなどの花も見頃でした.またサギソウの季節に訪れてみたいですね.