005オオイヌノフグリの生き残り戦略
こんにちは,hinkochiです.
今日は自動車学校が休みなので,のんびりと近くの畑で野の花の撮影.
まだまだ寒いのですが,オオイヌノフグリ,ナズナ,ホトケノザなどの春の野の花がちらほら見られるようになりました.
青い小さな花が,言わずと知れたオオイヌノフグリですね.
まずはオオイヌノフグリが出てきてお決まりのフレーズ笑
おおいぬのふぐりを漢字に変換してみましょう.「大犬の陰嚢」
何ともおもしろい名前(花にはかわいそう!?)ですが,これは種の形からなんですね.
今日は種は見当たらなかったので,またまた紹介しましょう.
ところでこの花はマクロレンズでの撮影にもってこいなんです.
小さい花をマクロレンズを通してのぞくと,とても精密な構造で美しい!
そしてこの花のいのちは実は1日くらいです.
朝花開いて,夕方にはポロッと落ちてしまいます.
小さく美しい花はとてもはかない存在なのですね.
こちらはオオイヌノフグリの1つの花を横から見た写真.
小さな2つのおしべにはさまれて小さい1つのめしべがあることが分かりますね.
午後2時頃の撮影なのですが,まだまだおしべには多くの花粉がついています.
・・花のいのちはあともうちょっと・・
花粉を他の花に持って行ってもらうことができるのでしょうか?
この時期,オオイヌノフグリを訪れる虫はあまり見かけません.
実はオオイヌノフグリはせっかくつけた花を無駄にしないために,
保険として自家受精する仕組みが整っているのです.
オオイヌノフグリのおしべは時間が経つにつれ,めしべ側(内側)によって行き,
花がぽろりと落ちるときには,1つの花の中でおしべとめしべがくっつき,自家受精します.
ところで,実際植物が花をつける目的は,性をもつ意味ともつながります.
性をもつ理由は,自分の遺伝子を他の個体の遺伝子と混合すること.
これによって,新たな遺伝子の組み合わせが生じ,病原菌などに対する耐性をもつ
個体が産まれるのですね(赤の女王仮説と呼ばれるそうです).
つまり自家受精では,この目的を達成することができないのです.
オオイヌノフグリは花開く時期に合わせ,「種子が全くできないよりは自家受精でも種をつけた方がよい」
として自家受精をするように適応進化したのではないでしょうか.
それでもこの時期にこの植物が花をつける理由は,
この植物の大きさに関係しているといえます.オオイヌノフグリを見てみると,
地面をはいつくばるような感じでとても背丈が低いことが分かります.
背丈が低い植物が光合成をし,子孫を残すにはまわりの大きな植物が成長する前に,
葉を出し花をつける必要があるのです(早春にポリネータを独占できるという意味合いもありそうですね).
いろいろなことを考慮しながら植物の生活はできあがっているのですね〜^^