福岡市内に残るカンサイタンポポ


最近,サクラの写真を撮ろうと福岡市内を歩きまわっているのですが,西公園で嬉しい植物を見つけました.日本在来種のタンポポカンサイタンポポです.ヨーロッパ原産のセイヨウタンポポとは違って総苞(矢印部分)が外側に反り返っていないのが特徴で,セイヨウタンポポより一回りこぶりな印象です.山口県であれほど探しまわっても見つからないのに,福岡市内で出会えるとは・・^^; その後,注意して探すと,大濠公園の垣根や,天神の小さな公園でもカンサイタンポポを見つけることができました.
カンサイタンポポセイヨウタンポポに駆逐されて,その数を減らした,というのはよく言われることです.セイヨウタンポポをはじめとする植物の外来種は農業用に持ち込まれた種や,それにくっついてきた種が野生化したものも多く,古い時期に農地から隔離された大都市の古い緑地では外来種がなかなか入り込めず,その分在来種にとって有利な環境が残されているのかもしれません.
しかし,興味深いことに西公園や大濠公園では,カンサイタンポポの群生地とセイヨウタンポポの群生地が隣接して見られました.1年中葉を広げて花をつけ,単為生殖により増えるセイヨウタンポポと,春に限って花をつけ,後は休眠するカンサイタンポポでは生活史が結構違うわけで,日当たりの良し悪し,高木の種類などが異なる環境がモザイク状に残されていれば案外共存もできるのではないかな,とも思えます.
市内全域で2種のタンポポの分布の様子を調査すると,おもしろい結果が得られそうです.


桜が見頃をむかえました.ようやく気温も20℃台まで上がり,気持ち良い季節の到来です^^

ようやく春らしく

今日は久しぶりに気持ち良い青空が広がりました.
いつものサイクリングロードにもようやく春の気配です.
東川沿いにはオオイヌノフグリホトケノザナナホシテントウやヒシバッタを初見しました.しかしチョウやハチの仲間はまだ見られません.去年は2月下旬にはハナアブやモンキチョウがたくさん見られたのですが,やはり今年は春の出足が遅いのでしょう.

庭ではフキノトウが次々と姿を現し始めました.フキノトウのてんぷらを食べると,ようやく春が来たって感じがしますね^^

日当たりの良い斜面にはタチツボスミレがいくつか花をつけています.

雨のあとの梅


時間ができたので,車の練習も兼ねて光市の冠梅園へ行ってきました.
赤色の梅,桃色の梅,白色の梅・・といろいろ種類がありますが,個人的にはこの桃色の梅が清楚な感じがして好きです.
冠山のなかでも,標高によって咲き具合が違っており,キャンプ場側の標高が低いところでは梅が満開でした.

そういえば,昨年発見された岩国・錦町のセツブンソウの公開はこの月曜日に延期されていたとか.延期されたの知ってたら見に行ったのに・・残念.昔総領町まで観に行っていたセツブンソウが地元にあるとはまさに灯台下暗しです^^; セツブンソウは石灰岩地帯を好むようで,下草刈りなどの条件さえあれば,まだまだ周辺部で自生地が見つかりそうな気がします.

暖かくなりました


先日,福岡城址の梅の写真を撮ってきました.
今年は例年にない寒さもあって,梅もなかなか咲かなかったのですが,ここ最近の暖かさも手伝って一気に花開いたようです.

Mac版エクセルでレポートづくりtips.覚え書き.

 大学冬休みの宿題,実験レポートを作っています.ちょっと疲れたので,今回レポート作りで迷ったところの覚え書きを.

白黒印刷用グラフをつくる


白黒印刷のとき,白と黒,あと格子などのパターンだけで表されたグラフがつくりたいですよね.上みたいなやつです.
Windowsエクセルでグラフの色を「パターン」でぬれる機能があったので,Macエクセルでその機能を探したのですが・・ない!
調べてみると,最新版のエクセルからはグラフの色をパターンで塗る機能はなくなってしまったようです.Windowsのエクセルのみネットからダウンロードできる拡張版があるのですが,Macエクセルにはありません.
しかし,どうしてもグラフを白黒用にきれいに作りたい.凝り性なのでいろいろ探してみました(笑).
見つけた手段は,ネットで無料で手に入るopen office for Mac.エクセルに相当する「表計算」のなかに「パターン塗りつぶし」発見しました.しかしこの塗りつぶしは,細かい設定が効かないのです.もともと設定済みの赤色や青色の格子模様があるだけ・・.ちょっと微妙.
結局,データを拡張子xlsで保存し,Windowsのパソコンを借りて,パターン入りのグラフをつくりました.
でもMacに取り込んだら,パターンが適用されなくなるだろうな・・と思いましたが,ちゃんとパターン入りの元の状態で保存されています.グラフが図に変換された,ということではなく,編集も可能です.
結論:Macで白黒印刷グラフを作りたいときは,データを一度xlsで保存し,Windowsでパターン塗りつぶし.その後Macで開けば編集できる!

時間幅が一定ではないときのグラフをつくる

次に時間によって変わる量のグラフを描くときです.1時間,2時間,3時間…と一定幅の時間でデータがある場合はきれいにかけますが・・
0.5時間,1時間,2時間,3時間,4時間,4.5時間のように,時間の幅が一定でいないデータをグラフ化するときは,下のようになってしまいます.

0.5時間と1時間,1時間と2時間,それぞれ時間幅が違うのに,横軸では一定であるかのように表現されてしまうのです.これは時間に応じた変化を見るのには適しません.
できれば実際の時間幅に応じた下のようなグラフを書きたいのです.

しばらく四苦八苦しましたが,棒グラフを使わずに,散布図を使うと良いことがわかりました.下のようにグラフの形状から線を結ぶ散布図を選択します(直線にすることも可能です).すると,軸が一定時間とすることができます^^

ところで,生物学に詳しい方が見たら,上のデータが,普通考えられないめちゃくちゃなことになっているのに気づかれるでしょう(笑).考察どうしよう.

あけましておめでとうございます

あけましておめでとうございます.今年もよろしくお願いします.

1ヶ月全く放置でしたが,ひとえにとても忙しかったからです.センター試験前は塾はこんなに忙しくなるものなんですね・・^^; 今は実家で久しぶりにゆっくりしています.ちなみに明後日から塾は仕事始めです.大学の講義は6日からはじまります.なぜ小学校よりも休みが短いんだ・・

さあ2011年もやってみたいことが山積みです.
今年こそは,スーパーカブ阿蘇へキスミレの群落を見に行こう.あっ その前に春休みは宮崎にフクジュソウも見に行きたいな.夏は我が家伝統の家族旅行と,みんなで行く実習も楽しみです.また,音楽関係とか趣味の幅を広げていきたいと思っています.

いつの間にか3年生になってしまいそうなので,専門の勉強もしっかりしていきたいものです.ひとまずは最初疎かにしていた分子生物学・遺伝学の復習を.興味がある人間の心理の生物学的・進化学的意義についてもいろいろな本を読んで行く予定です.

あとブログも書いていこう.個人的に書いている日記もね.3日坊主にならないように.

生物を貫く進化の見方

例によって,細胞生物学の授業からのはなし.
ある日の授業で教授は
「高校の生物って楽しかった?僕は楽しくなかったね」
「あんな暗記もののどこが楽しいんだろう」
と開口一番で衝撃の発言(笑).

いやいや,それは生物学科生を敵にまわすような発言だよとツッコミたくなりました(笑).高校で生物が好きだった人が,生物学科に入ってくるのが自然な流れでしょうから^^;

聞けば教授は高校時代物理選択で,生物は大嫌いだったということ.
「いきものの名前だとか,その細々した種類,各器官のはたらきなんて覚えてられなかった」

確かに高校生物は他の理科の科目と比べると,細々覚える事が多いのかもしれません.
その原因として教授は,
「生物学は,細分化,専門化していて共通の理論が見つけにくい」
ということを挙げました.
確かに物理はニュートン力学がその素地になり,そこから導ける法則が各論を導きます.数学にしても,関数や図形,数式等は一緒に扱うもので,大学になるとその境界線はますます曖昧になります.
しかし生物はどうでしょう.例えば植物の分類学と,ミクロレベルの細胞小器官の活動,そして呼吸の仕組みには関連性や素地となる同じ理論があるでしょうか.特に高校生物では,それぞれの項目がまるで独立しているかのような印象を受けます.私自身高校生物の中でも,この分野は好きだけど,この分野はあんまりやりたくないなというところがありました.

では,生物を貫く理論,物理でいうニュートン力学のようなものは本当にないのでしょうか.

それをしばらく考えていたのですが,いろいろ授業を受けたり,何冊か本を四題しているうち,それは「進化」なのではないかなと考えるようになりました.
進化とは適応度が高い形質が自然選択され,集団中に広まる仕組みです.

高校の頃は進化というものは,長いスケールでおこり,マクロレベルでしかあてはまらないものと思っていましたが,ミクロレベルでも自然淘汰の理論が現象を貫いていることが分かってきました.
例えば私達の記憶は概してあいまいなものです.しかしこれはいろいろな敵をすばやく認識できる,という進化上の利点があったからこそ広まったと考えられています.敵の特徴を事細かに正確に覚えていても,少し特徴が異なる他の敵を認識できないのでは生存上有利ではありません.それよりもむしろ敵の一般的な特徴,あいまいな特徴を捉えるほうが,敵をよりよく認識できるはずです(『単純な脳、複雑な私』に詳しく書いてあります).

つまり,生物のかたち,同化異化等のからだの仕組み,オルガネラの働き,動物の行動に至るまで,そこにはそのように進化してきた適応上の理由があると考えるのはどうでしょう(ダーウィニズムに陥り過ぎという考えもあるかもしれませんが・・).つまり,究極要因をそれぞれの分野で探るようにすることで,生物のミクロレベル・マクロレベルでの共通性が見えてくるのではないでしょうか.

高校生物でも一番最初に,自然淘汰の理論を持ってきて,進化のしくみを学習してから,各論を開始し,自然淘汰に基づく進化の仕組みをそれぞれの現象に結びつけて考えるようにすると,より分かりやすくなると思うのですが.