福岡市内に残るカンサイタンポポ


最近,サクラの写真を撮ろうと福岡市内を歩きまわっているのですが,西公園で嬉しい植物を見つけました.日本在来種のタンポポカンサイタンポポです.ヨーロッパ原産のセイヨウタンポポとは違って総苞(矢印部分)が外側に反り返っていないのが特徴で,セイヨウタンポポより一回りこぶりな印象です.山口県であれほど探しまわっても見つからないのに,福岡市内で出会えるとは・・^^; その後,注意して探すと,大濠公園の垣根や,天神の小さな公園でもカンサイタンポポを見つけることができました.
カンサイタンポポセイヨウタンポポに駆逐されて,その数を減らした,というのはよく言われることです.セイヨウタンポポをはじめとする植物の外来種は農業用に持ち込まれた種や,それにくっついてきた種が野生化したものも多く,古い時期に農地から隔離された大都市の古い緑地では外来種がなかなか入り込めず,その分在来種にとって有利な環境が残されているのかもしれません.
しかし,興味深いことに西公園や大濠公園では,カンサイタンポポの群生地とセイヨウタンポポの群生地が隣接して見られました.1年中葉を広げて花をつけ,単為生殖により増えるセイヨウタンポポと,春に限って花をつけ,後は休眠するカンサイタンポポでは生活史が結構違うわけで,日当たりの良し悪し,高木の種類などが異なる環境がモザイク状に残されていれば案外共存もできるのではないかな,とも思えます.
市内全域で2種のタンポポの分布の様子を調査すると,おもしろい結果が得られそうです.


桜が見頃をむかえました.ようやく気温も20℃台まで上がり,気持ち良い季節の到来です^^